大正時代(1912年 – 1926年)は1914年に勃発した第一次世界大戦とともに幕を開けたとしても過言ではありません。第一次世界大戦の結果、日本は国際連盟の常任理事国となり世界一流の国の一つとなりました。しかし、日本とは何であるのか、日本人とは何かというアイデンティティに至っては官製日本だけでしかなく、日本人のアイデンティティの形成が急がれたのが大正時代です。

 戊辰戦争があり、会津では白虎隊、榎本軍による五稜郭の戦いから大正時代の始まりまでは、実質な年月では40年程度でしかありません。明治時代には、ある程度の国民意識も生まれたとは思いますが、ほとんど全てが官主導の国造りであり国民の意識の向上はお粗末なものであったようです。

 そこで起きたのが大正デモクラシーです。もしかすると今よりも自由に何かが言えた時代であったかもしれません。大正文学は、国民の日本人としてのアイデンティティの形成に大きく寄与しています。人はこうあるべきだ、などの格言的な文学が芥川龍之介を始めとした文豪によって書かれ、そこで生まれた日本人像は今に通じています。

 そのために、大正文学を深く理解することは、今の日本人を理解することでもあります。IB学習でも、芥川龍之介の作品や高村光太郎の作品が多く用いられているのも、世界的な視点に於いても大正文学の重要性が認められている証拠です。

 高村光太郎の智恵子抄の考察から、高村光太郎の心の変化を追った研究などもIB学習で行われますが、難解です。先ずは取り組みやすい、芥川龍之介の作品の要約や考察から学習をしっかり行うことが、小論文の基礎として必要です。