アメリカは、核を保有している北朝鮮に対して、イランやキューバに対してのような厳しい措置をとらないのは、何故でしょうか。

それは、アメリカが能動的に築いた、経済的資産を、戦争ではなく革命という形で、キューバやイランに一方的に奪われた、アメリカにとっての理不尽な歴史を有しているからです。

1959年のキューバ革命で、アメリカは莫大な資産を正当な手続き又は戦争行為による処理の過程で生じる手続きなしに、不法にキューバに奪われました。

(以下のURLは日経新聞の関連記事です。)

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO43874410Y9A410C1000000/

イランでも、同様です。イランは、第二次世界大戦以前には、ヨーロッパの国々からの屈辱的な扱いを受けていました。しかし、アメリカはイランに寄り添った関係を維持し、イランにとっての守護者でした。

それが、1979年のイスラム革命で、アメリカとの関係は180度変わりました。

もちろん、アメリカがイランに投資していた金額は莫大なものであり、その資産の全てが無に帰したのです。

もちろん、正式な手続きは一切なく、経済資産が奪われた訳ですので、イランへの感情は、キューバと同様に、アメリカにとって「許すことができない」感情と変わりました。

アメリカは、資本主義の総帥であり、国や国民の感情の根幹は経済的な繁栄です。

経済的繁栄の基礎となる、資産を不法に奪われたのですから、アメリカは、国家と国民の多くが、キューバ、イランに対して懲罰的な感情を強く抱いています。

イランに対しての悪感情は、9.11の同時多発テロで増幅をされました。アメリカでは、現在も9.11を操ったのは、イランとされているようですので、イランへの憎悪は簡単には収まりそうにありません。

事実、2016年9月には、アメリカで最も影響力がある経済紙、ワシントン・ポスト紙に「9,11イランが果たした役割を忘れるな」との記事もありました。

本題から離れます。

同様の裏返しが、アラブのヨーロッパ諸国に対する憎悪の感情です。

第一次世界大戦で、イギリスやフランスは、多くの兵士をアラブ諸国から集めました。

アラブの兵士は、勇敢に戦ったそうです。その理由は、イギリスやフランスに協力をすれば、アラブの各民族などが求める独立を保証するとの甘言があったためです。

第一次世界大戦は、イギリスやフランスの勝利で終結しました。しかし、その後のアラブへの対応は、過酷なものでした。

第一次世界大戦では、石油の利用価値が飛躍的に高まりました。その権益を得るために、イギリスやフランスは、アラブの独立を反故にして、植民地としました。

植民地となったアラブ諸国の人々は、安い労働力、格差の下に属する人々としてイギリスやフランスに渡り、現在のヨーロッパ各国の人種構成の基礎的な構造を生み出しました。

同時に、現在のヨーロッパで起きているテロの温床ともなっています。

第二次世界大戦では、ヨーロッパ各国は、第一世界大戦と同様の甘言を、アラブ地域に持ちかけたのです。こんどは、本当に独立を保証すると。

第二次世界大戦後は、確かにアラブ地域の独立を認めましたが、国々の分け方は、人種宗教を無視した、元の植民地地域を単純に線引きした国々としての独立でした。

現在の世界地図を見ても、アラブ地域は、直線的な国境線となっており、元の宗主国であるヨーロッパ各国の無責任さを見ることができます。

アラブ各国のヨーロッパ諸国への恨みは、イスラエルという国家の成立により決定的となりました。長年に及ぶ、ヨーロッパ支配から開放されるどころか、アラブの聖地を含むアラブの土地が奪われ、宗教的にも対立する国家が生まれたのですから、アラブ各国の欧米への悪感情は、高まりました。

ここで、ヨーロッパから欧米と文言を変えたのは、イスラエルの成立には、アメリカも関わっているからです。

イスラエルを日本に例えれば、欧米各国の圧力により、東京から、京都奈良までを含む、日本文化の根幹を含む地域が、他国として建国されるということです。もちろん、それまでの土地や権利も理由なく奪われているという状況となります。

これらを、アラブ各国が認めるわけもなく、一部の親欧米の国を除き、対立が続いています。

欧米にとっては、法的手続きはともかくとして、戦争の結果であり、アラブ各国は、結果として起きた事実は受け入れるべきだとの感情が強いようです。

戦争は、結果が全てです。今の日本の独立や、北方領土問題も戦争の結果として選んだ、戦後の日本の政治によるものです。

日本の政治とは、日本が親米国家としての生き方を選んだということです。

奄美諸島、小笠原諸島、沖縄、南西諸島が日本に戻ったのは、親米国家として歩んだ結果です。

もし、日本が親露国家であったらどうでしょうか。キット。北方領土は、日本に帰属しています。但し、沖縄のように、択捉や国後にロシアの軍事基地が存在し、横須賀や佐世保にもロシアの軍事基地が築かれ、アメリカに行っているのと同様に、毎年7000億円もの経費を日本が負担すればですが。

しかし、その場合には、前述した、奄美諸島、小笠原諸島、沖縄、南西諸島の帰属は、あり得るわけもなく、北方領土以上の難問題となっていた筈です。

本題に戻ります。

では、アメリカにとっての北朝鮮はどうなのでしょうか。朝鮮戦争の結果として、北朝鮮が存続していますので、休戦協定による契約があることが、キューバ、イランと大きく異なるところです。

また、北朝鮮は中国にとっての西側諸国との緩衝地帯となり、韓国は、アメリカや日本の自由陣営にとっての緩衝地帯であり、不安定の中での安定には欠かせない地域です。

韓国は、日本にとっての安全保障面で重要です。もし、韓国が親中、親北朝鮮国家となれば、自由主義の前線(フロントライン)は日本海となり、現在の国防予算のシーリングであるGDP1%では、日本の防衛装備や国家防衛に関する備えは、不十分となります。当然に、現行憲法を守り通すことは不可能な状況となると思われます。

韓国が、親米国家であることは日本の独立にとって、極めて重要です。

イランとキューバは、アメリカにとっては、不法にアメリカの権益を収奪し、メンツも潰した国です。

日本、アメリカ、韓国、北朝鮮、イラン、キューバの現在の状況を理解するには、過去の歴史から考察することが、良い方法です。

大学受験を目指す皆さんは、数年前迄の受験生とは異なります。

現在では、18歳から選挙権が認められています。

私達の暮らしは、全て政治により決められていると言っても過言ではありません。当然に、どのような学部であっても、政治の理解が必要となる出題が課されることを予想する必要があります。