いよいよ、平成時代最後の日を迎えました。新たな明るい気持ちを抱き、令和の時代を迎えられることは、昭和時代の終焉時期の「自粛、自粛」から新しい時代を迎えることを当然と考えていた私にとって嬉しい変化です。

 ところで、4月1日に新たな年号が令和と決まり、私が最初に行ったことはパソコンの文字に令和を追加することでした。

 朝日新聞の社説は、大学受験に出題される問題やモチーフして利用される場合が多いのが特徴です。

 大学受験に小論文が課される理由は、受験生の「教養、経験、理解力、論理力、説得性」が小論文に表現されるからです。

 一般的には、日々を当たり前の毎日として暮らしている高校生が多いようです。しかし、小論文を書かせると、学業成績などからは見えてこない、本当の実力を見抜くことが出来ます。

 先週、朝日新聞の4月21日付の社説を用いた想定問題を出題しました。

 想定問題は、以下の内容です。

「朝日新聞の社説(URL参照)を読み、教科担任制の導入について、経験的にあなたの意見を述べて下さい。  800字

https://www.asahi.com/articles/DA3S13986326.html?iref=editorial_backnumber 」

 教育の変革に関しての出題は、これからの大学受験大変革を含めてどのような学部でも出題される可能性の高い課題です。

 受講生徒の皆さんの多くは、現時点に於いては、自身の経験を小論文にを活かすことができません。しかし、有名な小論文コンテストでも優秀作品全てが経験から導き出した小論文であることを理解する必要があります。

 私自身、IB Japaneseや、一般的な小論文の授業では、形式通りの小論文を講義します。しかし、大学受験の小論文は、自己の経験に基づく表現力が重要です。当然に、セオリー通りの小論文とは異なる表現形式を用います。

 私が、この時期に教科担任制の課題を用いるのには理由があります。小学生から中学生になる時期は、受講生にとってつい数年前のことであり、最も経験的に述べることが出来る内容です。そのため、難解度が増す今後の授業に備えての入り口としてふさわしい課題だと考えているからです。

 4月の時点では、小学校が何であるか、中学校とは何であるのかの定義や学習内容の違いを的確に表現し定義できる受講生の割合は決して多くはありません。それよりも、課題文の内容に「ロックオン」されてしまい、社会を俯瞰して導き出す答えにたどり着くことができないようです。

 社説は、各新聞社の意見であり、同時に問題提起や理想論を述べているに留まり、具体的なその先の行程は、読者に任されている場合が多いようです。しかし、大学受験小論文では、具体的な論述が必要となります。

 生徒の皆さんの多くは、教科担任制を肯定的に捉えています。しかし、その理由が明確にされておらず、そこで予想される問題点の具体的な解決策についての論述が上手くできません。しかし、心配はしていません。6月から9月迄行われる夏季入試直前講習で受講生の皆さんは、その解決策迄を論述できるようになるからです。

 では、答えに至る例を上げながら、課題について考えてまいります。

 冒頭に、社説を簡潔に要約します。この要約を怠ると、その後の小論文にブレや方向性の間違いが生じる恐れもありますので、必ず行います。

 次に、小学校と中学校の学習の違いの理解です。

 小学校での算数は、数学となり、理科は、化学変化や力学的エネルギーなど、小学校に比べて著しく内容が難しくなります。

 初等教育は、中等教育に移行する準備の学びなのですが、その学習内容変化は小学生の一般的な認識を超えている場合が多いようです。そのため、中学受験では、その移行がスムーズに行える生徒が合格条件になりますので、大学までの入試の中で最も難しく準備も必要な受験となっています。高校受験は、同じ中等教育内の学びですので、中学校の内申書などが参考にされ、推薦入試など実際的受験はせずに高校に合格できる場合も少なくありません。大学受験では、大学で求められる、考えて答えを導き出す高等教育への移行がスムーズに行える受験生であることを証明出来る小論文が課される場合が多くなります。

 中学では、小学校の学習内容に慣れてしまい、学習をしなければ理解ができない中等教育に戸惑いを覚え、学習について行けない生徒も出てきます。

 中等教育への移行をスムーズに行うために各教科を専門的に教育出来る教科担任制を導入し、中学での学習内容を移行内容として取り入れた教育を行うことは必要なことです。

 中等教育では、算数、国語、英語(学習指導による正課となるのは令和2年度から)、理科、社会、体育など、ほとんどの教科は、専門的な教育となり各教科のプロである教科担任の先生が授業を行います。

 しかし、その移行期間の教育が行われていなかったことは、大学受験生には、数年前の経験であり表現ができなくてはなりません。それよりも、そういうものだと何の疑問も抱かずにその時期を過ごしているのが現状です。よって、その意義をしっかりと定義でき、その後の本論で、理由を具体的に述べることが出来る生徒が大学受験に勝ち残れる生徒となります。

 教科担任制を取り入れるためには、新たな教職課程が増えることは当然であり先生の数が増えることは確実です。そのための教職課程の新たな在り方も今後具体的にしてゆくことも必要だとするべきでしょう。

 教科担任制にすることで、朝から午後まで生徒たちと時間を共にする担任の先生の見守る目がなくなると心配する方も多くなると思います。しかし、それよりも子供たちの精神的な自立を促すことも学校教育の役目であり、中学になると大きく変化をする教育システムを考えれば、スムーズな中等教育システムへの移行を目指すことのほうが必要だと意見を述べるべきです。

 ここから見えてくることは、小論文には一貫した流れの中で論述を進めることが必要だとの理解です。

 中学でも高校でもクラス担任が存在します。受験生は、全教科に近い学習を一手に引き受ける小学校のクラス担任とその後の中等教育でのクラス担任を比較して、何か不利なことがあったのか、なかったのかの論述を進めます。ほとんどの場合、中等教育以降のクラス担任制で不具合を感じた生徒は少ないようです。

 次に、生徒の見守りや発達が的確につかめない恐れを述べます。その問題は、スクールカウンセラーの配置を進めることで解決できる問題です。BESTでは、インターナショナルスクールで学ぶ生徒と日本の高校教育課程(中等教育後期課程)で学ぶ生徒が一緒に学んでいますので、日本の高校制度で学んでいる生徒もインターナショナルスクールの学習システムを理解できるようになります。もちろん、インターナショナルスクール教員であった塾長から、比較文化の一環として各国の学習システムを学びます

 インターナショナルスクールのスクールカウンセラーは、学習だけでなく生徒に対しても大きな責任と権限を持っています。学習の習熟度に問題がある場合は、スクールカウンセラーが学習指導方法を示唆します。また、イジメなどの問題も、担任ではなくスクールカウンセラーが問題を引き受けジャッジも行います。当然に各教科担任の先生は、各生徒の習熟度をカウンセラーに報告を行います。それにより、クラス担任の業務を軽減し、各教科の先生方は教えること生徒の習熟度の向上に傾注することが可能となります。

 万一、モンスターペアレンツと称される方々が出てきた場合もスクールカウンセラーが対応します。現在、親や生徒との間で予想される裁判などに備えて、日本の先生方の約半数が教職員賠償責任保険に加入をしていますので、先生方の精神的ストレスの軽減にも新たに設けるべきスクールカウンセラー制度が有効です。

 この場合、教職課程にスクールカウンセラー資格を設ける必要が生じます。このスクールカウンセラー制度は、 教職課程によって資格を得る学習カウンセラーとは別に、教員免許を必要としない学習以外を担当するスクールカウンセラーに分け、識者としての一般の方々の登用も考慮すべきだと書き進めます。

 これらの制度を導入すれば大きな予算が必要となります。しかし、生徒を育てることは将来の日本を背負う人材を育成することであり、子供がいる方々もいない方々も等しく、これらにかかる費用の負担を容認するべきだと論述します。

 受験生はこれから大海原である社会へ船出をする方々ですので、論述は見込みや希望と覚悟を具体的に表現できれば良いでしょう。

 小論文は、教養とその展開です。BESTは、教養を徹底的に学び、そこから答えを導き出す指導を具体的に行っています。一般的な塾や予備校ではそのような教え方は行っていません。そこで、小論文で勝ち残るためには、保護者の方々の教養と展開を受験生であるお子さんたちに経験的に伝えることも良い方法です。