GAFAは、優秀難関大学の経済学部、法学部、政治経済学部、総合政策学部、国際学部などの学部で出題が予想される課題です。

 GAFAと日本の関係及びその他の国々への影響などを理解することは、2020年度以降に大学入学を目指す皆さんにとって重要です。

 GAFAは、グーグル、アマゾン、フェイスブック、アップルをアルファベット頭文字で表しています。

 2019年から、GAFA等に対してフランスやイギリスではデジタル課税を行う方針です。

 これだけを見ると、日本の企業には影響がないように考える方も多いかもしれません。デジタル課税は、物理的な取引だけでなくデジタルコンテンツに対して課税を行うシステムですので、日本も、うかうかはできません。

 現在、世界には租税回避地と呼ばれる国や地域が存在します。例えば、西インド諸島のケイマン諸島や近くではマーシャル諸島、シンガポールなどが有名です。

 先ずは、商船を例にとってみましょう。日本は、世界的な外航船舶保有国です。といっても、厳密に言うと日本で造られた日本郵船や商船三井などの船会社で運行されている外航船舶のほとんどは、日本船籍ではありません。人に例えれば、両親が日本人で日本生まれの子供の国籍を勝手に選べるのが船の船籍です。それこそ、日本で造られて退役解体されるまで一度も船籍がある国には行ったことがない船がほとんどです。それらの船のことを「便宜置籍船」と呼びます、便宜的に船籍を外国に置く理由は、税金が安いからです。現在、最も外航船舶が多いのは中米のパナマです。それらの国に船籍を置くことで船舶にかかる税金を安くする方法は、1910年頃から世界で行われている節税対策の一例です。

 船舶の場合、税金だけでなく法律も船籍国の法律となりますので、実質的に日本の船舶であっても、船員に対して日本の最低賃金や社会保障制度も適用する必要もありません。結果として税金だけでなく安価な経費で船舶を運行することも可能となります。

 企業にとって、節税対策はそのまま利益に反映されます。企業が、租税回避地にペーパーカンパニーを設立する理由となっています。

 デジタル課税は、税金が安い国や地域にペーパーカンパニーを設立し課税回避している企業に対して行う課税のように思われますが、本来その国で課税されるべき税金という意味を持ちます。

 では、デジタル課税について理解を進めましょう。

 GAFAの中でも、有料で私達が日常利用しているのがアマゾンです。でも、アメリカのアマゾン本社は、本国であるアメリカでは2年連続で法人税はゼロです。しかし、昨年の世界一のお金持ちはアマゾンの経営責任者です。

 会社は、本社があるアメリカでは法人税も収めていないのに儲かっている。会社は、法人税を収めていないのに経営責任者は世界一のお金持ちって少し不思議ですよね。では、アマゾンは、アメリカで法人税の支払いができないほど儲かっていないのでしょうか。

 その答えは、「凄―く」儲かっています。

 では、そのからくりについて、お話を単純化して説明をします。

 この説明には、コンビニを例にとると理解しやすいのでコンビニのフランチャイズの仕組みを参考例にします、

 現在、セブンイレブンなどのコンビニでは、フランチャイズ契約をしている店舗からフランチャイズ指導料を受け取っています。例えば、フランチャイズ店のオーナーさんが土地建物を用意して営業を行っている場合の本部からの指導料は売上の43%です。利益ではなくて、売り上げた金額の43%です。

 アマゾンなどGAFAの各社は、そのような仕組みを世界中で行い、各国の支社などは利益が上がらない形式をとっています。

 例えば、日本アマゾンはアメリカのアマゾンの小会社です。アメリカのアマゾンは、フランチャイズやロイヤリティを管理する会社をケイマン諸島などに設立をしています。そのような、租税回避国にある管理会社が日本アマゾンやインドなどにあるアマゾンの小会社にロイヤリティを請求します。そのロイヤリティ(商標使用料)は、フランチャイズ契約ではありませんので上限を90%に設定しても問題なしです。

 例えば、日本のアマゾンの売上に対して90%のロイヤリティを課せば、どんなに日本アマゾンが儲かっても、経費などを差し引けば日本では法人税の発生はほとんどありません。

 ヨーロッパでも同様です。GAFAのような企業は、税率が高い国での節税を図ることによって最終的には大きな利益を確保しています。

 この方法は、いつまでも節税を企業が続けるためにはとても有効な方法です。

 例えば。日本アマゾンが、ロボット技術による巨大IT配送センターを100億円で設置することになったとします。日本のアマゾンの利益は日本では出ない方法をとっていますので当然に日本アマゾンにお金はありません。その場合、ペーパーカンパニーが置かれているケイマン諸島などのロイヤリティ管理会社から借りるとか投資を受ければ良いのです。日本のアマゾンは借金が増えますので、経費として日本での法人税を払わない理由も増えてバンバンザイです。しかし、アマゾン全体としては、金利まで得ることができるようになりますので大儲けです。その儲かった莫大な利益は、税率が極端に低いケイマン諸島などで納税をしています。

 でも、それらの状況はオカシイと手を上げたのがデジタル課税を導入しようとしている国々です。今までは、フランスなどの国々で莫大な取引が行われていても、課税することが出来ませんでした、しかし、その金額は、看過できない状況になっています。

 そこで、その国で儲かっていようといまいと課税をしようとする方法がデジタル課税です。デジタル課税は、物理的なプロダクトではなく、ダウンロードアイテムなども対象です。

 ここまで書くと、海外に多くのコンテンツを販売をしたり、海外に小会社を多く持つ日本企業にも大きな影響が出ることが理解できると思います。

 任天堂などの世界的なゲーム配信会社などは、真っ先に対象になるでしょうね。その他、日本に本社がある製造業もその影響は、かなりのインパクトとなって降り注ぎます。日本の会社と海外の小会社の関係は、セブンイレブン本社とフランチャイズ店の状態と似ているからです。

 海外の小会社は、日本の本社に技術指導料や商標使用料を支払うことで日本の親会社は利益を確保しています。例えば、タイのT自動車、アメリカのT自動車も日本のT自動車の指導を受け、多くの日本人駐在員が海外で働いていますので、その指導料は莫大な金額になると思われます。またT自動車の商標を冠した車を販売することで圧倒的な信用を得ることもできますので商標使用料も同じく莫大な金額となります。これは、これらの会社のサプライヤーでも全く同じです。現在は、それらの経費に課税されることはありませんが、指導料や商標使用料のような物理的なプロダクトの移動がないものに対してもデジタル課税が行われる恐れが出ています。

 海外に住むと、日本ブランド製品が目立ちます。デジタル課税は、他山の石として我が国の企業にも関わる問題でもあるという認識も必要です。

 世界に企業を移転している日本企業を守ることは、発展途上国の経済発展に貢献するということです。

 この流れを止めないためにも、勝手なルールが世界で独り歩きする前にG20等で、日本がデジタル課税のイニシアチブをとる覚悟も必要です。デジタル課税の動きに関しては、批判の的となっているGAFAの本拠地であるアメリカ政府との協力体制も欠かせません。海外に生産、販売拠点を多く持つ日本が、持続的な経済発展を可能とするためには、米国との情報共有などを行うことが重要なファクトとなります。

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