日本では、1989年の横浜博覧会期間中に正式な鉄道として国の認可を得てリニアモーターカーが有料運転されました。余談ですが、私は、横浜博覧会でヨット展示のボランティアスタッフを務めていた関係で、営業運転前の試運転期間にリニアモーターカーに乗車をさせていただきました。しかし、営業区間は僅か数百メートルであったため、スピードも数十キロでした。

 それが、2027年には、東京名古屋間を結ぶ、超電導磁気浮上式リニアモーターカー(仮称:リニア中央新幹線)として開通の予定です。所要時間は、40-50分程度、凄いですね!

 では、なぜ山間部を通るのか、土地買収の費用や交渉が太平洋ルートに比べて楽になりますよね。それと、東海地震などの際には、震源域から離れていること、トンネル部分=地中部分が多いことから、リニア中央新幹線は被害を受けにくい利点があります。

 もう一つ政治の影響を受けにくい利点もあります。実は、リニア中央新幹線は、JRが多くの費用を独自に調達し政治の影響を受けにくい環境で工事を進めています。

 えっ?何のことと思われるかもしれませんが、鉄道は、政治家の地元への利益誘導に使われる場合も多く、それらの影響を少なくしないと超電導浮上式リニアモーターカーの利点である「速達」効果が失われる恐れがあるのです。

「我田引水」という言葉をもじって「我田引鉄」などと揶揄されることもしばしばです。

 例えば、政治の影響を受けた駅として有名なのが、大野伴睦の銅像が駅前に建つ、岐阜羽島駅です。そのほか、高崎線の深谷駅に普通列車しか停車しなかった時代、当時の国鉄に運輸大臣が圧力をかけて無理やり急行停車駅としました。もちろん、その大臣は、野党の追及で大臣退任を余儀なくされました。

 そうなった原因は、JRが、当時は国の機関であり色濃く政治の影響下にあったためです。政治の影響を避けるには、自前で費用の調達を進めることが賢明な選択です。そのため、JRは、先ず東京、名古屋間を開通させて、その路線での利益で、その先の名古屋、大阪間の工事を進める計画でした。現在では、国がJRに頭を下げる形で、国が費用負担や保証をするので、名古屋、大阪間の工事を早期に進めて欲しいとJRに要望をしています。もちろん、JRは、政治駅などを受け入れないという条件を付けるでしょうね。

 超電導磁気浮上式リニアモーターカーは浮いていますので、摩擦抵抗がなく、一般的な電車のようなモーターもありません。その上に、架線からの給電の必要がないために、トンネルを掘る際には、トンネルを小さくすることもでき建設費の低減化にも良い効果があります。では、給電がないのに車内での電気をどうするのかという質問もありますよね。答えは、スマホでも実用化されているワイヤレス給電により車内の電源を確保しているからです。

 では、リニアモーターカーはどこで乗車できるのか?ですね。リニアモーターカーは、現在、仙台、東京、横浜、大阪、神戸、福岡で乗車することができます。但し、鉄輪式リニアモーターカーですが。

 私が、東京でリニアモーターカーに始めて乗車したのは、都営地下鉄大江戸線です。大江戸線に乗車した際に違和感を覚えるのです。電車が小さい!車体が低い、線路の真ん中に鉄板が敷いてある。何だろうこの違和感は?ということで、大江戸線を調べたところ、なんと都営大江戸線は「リニアモーターカー」でした。

 20年以上前のことでしたので、スマホは未だありませんでした。そこで、図書館で調べたところ、大江戸線は、鉄輪式リニアモーターカーと記載されていました。そうか、リニアを日本語に翻訳すると「直線的」という意味があった。とその時に始めて気づきました。ということは、線路の真ん中に敷かれているのがモーターのコイルだから、電車にはモーター搭載は不要。だから背の低い、小ぶりな大江戸線ができたことを理解しました。

 地下鉄は、莫大な掘削費用が生じるトンネル工事が必要です。リニアモーターカーこそ、地下鉄に向いている鉄道なのだと考えられるようになりました。もちろん、その原理は、超電導磁気浮上式リニアモーターカーでも同じで、トンネル断面を小さくできることが山間部を通す一つの理由となっています。

 生徒の皆さんのほとんどがインターナショナルスクールで英語での授業を受けていますので、「英語でリニアは直線的という意味があるよね」と聞くと「確かに」という返事が返ってきます。

 受験生の皆さんは、そこにある当たり前から疑問を持つ必要性、世の中にあることを「クリティカルシンキング」し、疑問から答えを導き出す必要性を心がけて下さい。

 世の中は、当たり前がほとんどです。しかし、それが当たり前になった理由は、誰かがそれを作り出したことに他なりません。

 疑問を解決し新しい世の中をクリエイトできる人こそが大学が、社会が求める「人」です。

 そのためには、「なんで?なぜ?どうして?」の疑問を持ち、調べて行く姿勢が必要です。

 例えば、山手線の電車が、ホームドアの前に、ピッタリと停車することができるのは「なんで?」って考えたことってありますか。

 他の生徒が追随できない、教養に基づく論拠と展開を、志望動機理由書などの事前提出書類や小論文、面接試験に活かせるようになるまでには時間も必要です。

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