帰国子女の皆さんは、住んでいる国に感謝と敬意をもって接しましょう。それは、住まわしていただいているからです。

 帰国子女の皆さんの多くは、駐在員の子弟です。他国に住み日本の経済や皆さんの家庭に於ける経済にも寄与しているのですから当然に「感謝」の思いは必要です。

 では、今回もタイに住んでいる皆さんが帰国子女として理解するべきことを述べたいと思います。

 先ず、せっかくですのでお父さんとのコミュニケーションをとりましょう。皆さんも体感されていると思いますが、外国に暮らしていると家族の絆は日本に居る時よりも深まります。また、お父さんの仕事も日本に居る時よりも更に責任ある立場となります。お父さんを介しての比較文化の取得は帰国子女の皆さんが持っている大きなアドバンテージです。私がインターナショナルスクールの教員であった頃、生徒のお父さんにお願いをして生徒の皆さんと会社や工場への訪問をさせていただいていました。

 生徒の多くは、タイに企業が移転する要因を給料の安さだと思う方がほとんどです。でもそれだけではありません。タイには多くの日本の自動車会社が進出しています。タイは、アセアンに加入していますので、アセアン諸国への自動車の輸出ではほとんど関税は発生しません。しかし、日本から自動車を輸入すれば関税は100%です。自動車とは関係のない日系企業の現地社長さんであった生徒のお父さんがBMWを社用車として導入したところ、日本の本社からの指示があり日本の車に買い替えました。生徒のお父さんは、車が一回り小さくなり、タイでは生産していない日本車なのでBMWの1.5倍の費用が掛かったと苦笑をしていました。よって、タイに日本の企業が進出する理由は。アセアン10ケ国への輸出の利点も大きな理由です。また、日本の企業は、タイの環境にも良い影響を及ぼしています。やはり、生徒のお父さんが勤務をされていた家電メーカーの工場訪問をさせていただいたときに、鉛との合金のハンダを使用せず従業員の健康にも留意していました。もちろん、ハンダが高価になるだけでなく熔解温度は高くなりますので電気代などの経費は高くなります。日本基準の製造工程をタイに導入することで、タイの環境にも良い影響を及ぼす結果となっています。そのほか、妊婦の従業員を体に悪影響を与えない部署への配置転換を行うことで「働きやすい」と喜んでいるタイ人の妊婦さんたちの声も直接聞くこともできました。 

 日系企業では、キャンティーンの食費を低額に設定しているところも多く、日本基準がタイの労働環境や従業員の福利厚生の新たなスタンダードとなりつつあります。

 喜んで働いていただいて、日本の企業の利益が上がり、生徒の皆さんはインターナショナルスクールなどで比較文化を体験的に身に着けられるって、それこそ、タイと日本のWINWINですね。

 でも、これには、皆さんの何かを知りたいという好奇心が必要となってきます。

 タイの電信柱って日本のような丸い電柱は、ほとんど見かけませんよね。それは、地震や台風などの天変地異がほとんどないために、どの方向からの力にも強い丸い電信柱にする必要がないのです。それにお墓を見ることもほとんどありません。2年3年とバンコクに住んでいてもタイでお墓を見たこがない方も多いと思います。そうなのです。一般的なタイ人の方々はお墓がないのです。だから当然にお墓を見ることはありません。

 では、それは、何故でしょうか?その理由は、タイ人の多くが輪廻転生を信じているからです。日本では、一般的には亡くなると自動的に仏様になります。体自体が仏様。タイのように、新聞やテレビで、事故などで亡くなった方が映されることは日本ではありません。そのような文化の違いを、タイでの生活の中で学び、日本人とタイ人の文化の違いなども理解してください。

 タイは素晴らしい国です。食料自給率は160%。一年中温かいのでTシャツ、ショートパンツだけでも年中暮らせます。台風や地震も日本と比べれば無いに等しく屋根と壁があれば暮らして行けます。そのような環境に生まれ育てば当然にのんびりした性格になりますよね。

 日本は、地震、津波、台風、火山と天変地異が日常的に起こる特別な地域です。それらを考慮した地政学的な考え方から、時間に厳しい風土となったのだと思われます。

 では、タイはどうでしょうか?天変地異?ほとんど起きません!だから今日も明日も同じ。当然に時間にはアバウトになりますよね。

 でも、帰国子女の皆さんは、それに染まることは許されません。これからの日本では、タイ人の方々や他国からの労働者が増えてゆきます。自分が経験した文化を活かして、外国人労働者との橋渡しを行う戦力となることも帰国子女に求められるスキルです。